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すっかり秋めいてきました。
実りの秋ですね。
秋の収穫はまさに成功のひとつです。


秋の夕景を駆け抜ける特急いなほ

ところで、「投機」と「投資」の違いがわかりますか。
投機とは企業の種別などを問わずに、活発に有価証券を売買して利益を生み出すことです。ワイシャツを腕まくりした証券トレーダーが電話を片手に腕を振り回し、大声でまくしたてている光景をテレビで見たことがありますね。

一方、「投資」とは、といっても従来の投資家をイメージするのですが、自分が熟知している少数の優良企業の有価証券だけを買い、市場の動向に左右されることなくそれらを長期にわたって保有し、取引手数料を節約するために売買はできるだけ行わずに利益を出すことです。

この両者の違いは何でしょう。
最も大きな違いは「時間」です。
費やす時間の長さが圧倒的に違うのです。投資家は利益を得るのに長い時間をかけるのですが、証券ディーラーはそうではありません。「投機家」と「投資家」を比較したときに、結果的に大きな成果を出しているのはもうおわかりですよね。もちろん、どちらにも勝者と敗者はいますが、大きな成功をおさめている勝者は「投資家」にしかいないのです。

私たちの脳は「短期間に一気に状況が変わるような展開」を好みます。何かがピークに達したり、どん底に落ちたり。。急激な変化や騒然とする出来事に大げさに反応します。一方で緩やかな変化にはあまり気づきません。


福島潟の彼岸花

トヨタのカローラという車は世界で最もよく売れている自動車ですが、発売一年目から人気車だったわけではありません。長期にわたって売れ続けているからこそ、人気者の座を獲得できたのです。
サン・テグジュベリの「星の王子さま」も同じですね。

ちなみに、あなたが利回り５％の商品に１２０万円投資したとします。一年後、手にする利益は６万円。１０年後にはあなたの資本は約２００万円になります。２０年後には約３１０万円。５０年後には約１４００万円にまで！資本は一定の割合で増えていくのではなく、飛躍的な増え方をするのです。

緩慢で、退屈そうに見えて、時間のかかるプロセスが最も大きな成果を生み出すより確かな方法なのは理解していただける思います。
もう一度言います。「長い時間をかけて一貫して何かに取り組んだほうが大きな成果を得られる可能性が高いです」

もちろん、勉強や受験においてもです。塾や家庭教師を通じて成果が出る生徒はそれまでもコツコツと勉強を続ける習慣があった生徒であり、もしくは塾や家庭教師と学ぶようになってコツコツ勉強を続ける習慣が身についた生徒だけです。普段は何もしていないのにテスト前になって急に勉強し出したり、テスト対策なるイベントを受けて一時的に成績は伸ばしても、真の実力はついていません。実力テストでベールがはがれてしまいます。

秋の実りという大きな収穫のために、ただひたすらに地道で苦労の多い単調にも思える作業をたんたんと行う農家の人のような時間のかけ方や努力の仕方がが本物の力を身につける唯一の方法なのです。

そして、これは人生にもあてはまります。
せわしなく動き回るのを控えて、何事にも落ち着いて長期的に取り組むことが人生を向上させる素晴らしい方法です。根気、長期的に考える、一つのことに取り組み続ける。。これらは過小評価されがちですが、高い価値のある美徳です。

※参考及び一部抜粋　ロルフ・ドベリ著　Think clearlyより　


あやめ園に戻ってきた鴨たち